ザ・プラン9 第20回公演「なゐ震る」

プランの第20回公演「なゐ震る」@新宿シアターサンモール。今回は11日夜と13日夜(楽日)の二回行きました。
感想はまとめて。当然のようにDVD化されるので、以下たたみます。


今回は大学の地震研究会「なゐ震る」*1のお話。
五人とも白衣。「The Ten-Show」みたいな感じです。
開演前から舞台が見えてるんですが、研究室のごちゃっとしたセットで、こんな量の小道具を大阪から持ってきたのかいとちょっとビックリしました(「竹一平」は舞台がかなりシンプルだったので)。
しかしもうプランは大学生役無理あるだろ…!特に久さんは浪人留年なしではありえないよ(笑)。いい年した助教授です、あの風貌は。
白Tシャツにダメージジーンズ*2、プラス白衣という姿はとても素敵でしたが。


全体の感想は、「遊びが多くて本筋ちょっぴり」(笑)。本筋がオマケみたいになってました。
楽日は特に遊び部分にターボかかってたんで(プランはいつもそうだけど)、余計にそう感じたのもあるかもしれませんが。
どんどん新喜劇化してるというか。久馬氏が目指してるのはもしかしてそこなの?(笑)
念ちゃんが大きくなった後の一連のシーンは本当に新喜劇そのものでした…。
新喜劇だと思ってしまえばねー、本筋の辻褄がどーとかこーとかいろいろ考えずに済むんですけどねー。
慣れてない人が見るとついて来るの大変だろうなぁと思いました。
ドラゴンボール探しの後の、普通の芝居へのスイッチの切り替えっぷりったら、「新喜劇」以外の言葉で説明出来ませんよ。あれ衝撃のスイッチングですよ(笑)。
もうちょっと緩やかな変化にしてあげればよかったのに。時間が足りなかったのかなぁ。
そして今回は記念公演なのでプラン5人だけの舞台にします…とのことだったのに、ヘッドライトの和田氏がこれまたオマケみたいについて来ちゃった中途半端さも、知らない人からしたら「なんで!?」と思うところでしょうねぇ。
特に東京の人なんてヘッドライトなんて知らないだろうし(私だって「二笑流」でしか見たことないよ)、ましてや彼がオーディションイベントで本公演出場権を得たなんてエピソードを東京でどれぐらいの人が知ってるのやらー。


「ものまねジェンガ」は私が見た公演では2周、1周しかしませんでした(大阪はもっと長々やってたらしい)。鈴木氏が結構ジェンガに真剣だったのが笑えました(ものまねしたいだろうしね…)。
ドラゴンボール探し」は楽日めちゃくちゃで、鈴木氏が水鉄砲出してなだぎ氏ずぶ濡れでした。まだ芝居1/3ぐらい残ってんのに!!浅ゴエ氏も髪の毛ガムテープで引っ付くわ眼鏡沈められるわで大変でしたね…。


個人的に11日の公演で一番笑ったのが、浅ゴエ氏の「もう切るよ、危ない危ない」という福田和子の留守電の寝言だったんですが(唐突でホントに吹いてしもた)、それがアドリブだったことにビックリ。
あとはゲームやるよ〜!と誘われて一度断った後に賞金目当ての参加表明するときの浅ゴエ氏の台詞もアドリブでした。11日の「それがお前らのやり方か!」とかはまだ「参加する」って意味に取れるのですが、楽日の「アメリカの言いなりめ!」は、それ参加するっていうこと?とメンバーに確認されてました(笑)。


今回はキャラ付けがあっさりしてて、キャラらしいキャラを付けられてたのは浅ゴエ氏がやった「福井氏」ぐらいでした。それも「ぷぷぷぷぷー」ぐらいのキャラだしなぁ(笑)。
他は全員普通!ですよ。「謹慎してる」とかはキャラクターのうちに入らないし。
久馬氏の「鯰好き」も、どうも念ちゃんだけを好きみたいで広く鯰についての知識を持ってるわけでもなさそうだし、弱かったです。
今回の登場人物の名前は「これまでに起こった大きな地震」の名前、だそうです。「濃尾」は強引ですよねぇ、絶対あだ名「のび太」だろと思っちゃうし(そうか?)。
キャラ付けあっさりでストーリーに力を入れたのかなと思いきや、本筋は結構無理がある設定だったし(笑)、かつ伏線がすごく少なかったです。もう少し南部氏が言うところの「現実」との折り合いで伏線を張っておかないといけなかったんじゃないかと。
そもそもあの「現実を受け入れろよ!」(スクリーンをパッ!)のところ、あれが窓だなんて思ってもなかったし…!ただのスクリーンだと思ってましたよ、オープニングでもそういう位置づけだったものー!


本筋はまぁ真剣に考えると結構穴があって、何故謹慎という思い込みまでして現実を見たくない濃尾氏が穴掘り(地下なのにどこを掘ってたのだろうか)してたのかとか、皆どこで寝起きしてたのか(布団が置いてあったからあの研究室で寝てたんでしょうか)とか、予知出来てたのに誰も家族とかに連絡しなかったのかとか、いろいろツッコミは尽きませんけども…「新喜劇」だから!ということにすれば、くるっと平和解決?(違)


パンフは写真がとにかく素敵でした。「The Ten-Show」とカブるからか白衣姿じゃなく全員私服です。紙もいい感じ。
浅ゴエ氏の写真はどうしたその笑顔!!ってぐらい好青年の笑顔です。一人だけカキ氷食べてないし(笑)。


ということで、遊びが多かった分、笑うところも多かったのですが、お芝居としてはあんまり成り立ってないなーって感じの公演でした。
ただもうプラン9はそういうものだという割り切りで行けば、楽しめるんじゃないかと思います。
私は早く次の公演が見たいなぁ。久馬氏脚本の。
東京のファンは「芝居もん」という選択肢がないので、本公演(とそのDVD化)を待つしかないんですもの…。しかし次回公演のチラシは入ってませんでした。がくり。

*1:「なゐ震る」(=ないふる)自体が「地震」を意味する言葉、という説明が劇中一切なかったけどいいんでしょうか…。

*2:11日はそんなに穴開いてなかったのに、楽日は左膝全開になってた…。