「カリカコント+『MEETS』」vol.1

カリカの久しぶりのコント!とはいえ純粋にカリカだけじゃなくて、他の人も入る…という情報だけで具体的には何をするのか分からないまま会場へ。
しかし、このライブ、結果的に「今年のカリカは違うぞ!」と思わせてくれるものでした。つまり、ものすごく面白かったです。


一応カメラ(記録用?)は入ってましたが、劇中思いっきり歌ってたので(笑)たぶんDVD化なんてことはないと踏んで以下ネタばれです。
気になる方はスキップして下さい。


ライブ内容は、4本の長めのコント。それぞれは独立したコントです。
それぞれのコントの最初に、林氏の生ナレーションがあり、何故か舞台の後ろの上の方にタイトル書いたプラカードみたいなのが動いてました。コントとコントのつなぎは、映像ではなく他の登場人物(舞台のセッティングをやっているスタッフ三人という設定)のミニコントみたいなの。パンチ濱崎氏とかが出てました。


●「ヌキキャバ」
出張で京都にやってきたサラリーマン(林氏)が入ったお店での、変わったキャバ嬢二人(家城氏、平田敦子氏)とのお話。
2時間セットで最初に二人キャバ嬢がついて、最初の30分でどっちかに決めなければいけない…というシステムで、キャバ嬢二人が選ばれようと必死でしのぎを削る…というか前の店長の考えたパフォーマンスをする(笑)。
平田氏が可愛かったです。服も髪型も。そして女優ってすごいな!と思わせるしっかりとした演じ分け。低い声怖い。
家城氏は薄いサテン地のガウンに、ブラとショーツつけてメッシュの上下みたいなの着てた。すごい衣装*1だった。もう慣れてるけど。
家城氏のとっさに出る乙女言葉にはハッとさせられることが多いですが、パフォーマンスをやった後の「前の店長が考えたの。お気に入りなんだー!」という台詞に撃ち抜かれました。すげぇ可愛い言い方だった!乙女しかしない言い方だった!真似したい!
林氏のバイオレンスはカリカには欠かせないもの(なのか?*2)とは頭ではわかっているものの、引くわー。あの効果音がズレてるのでなんとか耐えたけど。


●「BROTHER 〜血より濃いもの〜」
今回最大の問題作。
亡くなった「吉田さん」の枕元で遺書を読むことになった、一郎(柏氏)二郎(林氏)三郎(家城氏)の物語。三人と吉田さんの関係とは?
この話が、ものすごく良く出来た脚本だったんです。飛びぬけて完成度が高かった。いつの間に家城氏はこんな脚本が書けるように…!?*3
キャラクターがしっかりしてるし、伏線がいっぱいあるし、泣かせるし、笑わせるし、いい話であり、いいコントである。パーフェクト。
そして家城氏の演じた三郎のスタイリングの素晴らしさは、ライブ直後の私達が熱狂して語り合ったほどだ!
さっきまでオカマを演じてた人と同一人物とは思えない、ものすごく可愛い末っ子役!しかも喪服。長めの髪*4と白いシャツと細い黒ネクタイが見事にハマってました。三男の演技もものすごく良い。一郎兄ちゃんがぶっ殺す!と言ったのを受けての、「何それ。やめない?」の言い方が好きでした。
あときっと煙草を舞台で吸ってるのも良かったんだなー。背中丸めて。三兄弟が揃ってて。
一郎氏もキャラクターがすごく立ってて、ものすごい演技力でした*5。悪気はないんだけどうるさい人物を見事に演じていたよ。
林氏もカッチリした次男役で、重要な遺書を読むところがキッチリ出来てました。三人で吉田さんの好きな歌を歌う場面で言う「無理あるよー!」もすごく良かった(笑)。


●「小数点以下の繁栄」
すごいタイトル。美人の奥さん(松田氏)を持った小説家(家城氏)と、編集者(林氏)のお話。
正直この4本のコントの中では結構普通の話だなぁと思ってしまったんですが、よく考えたら「普通に結婚している自分」を家城氏が書いたのなんか初めて見た。なんか違和感あるなと思ったらそれだ。家城氏が奥さんじゃなくて旦那さんだからだ(笑)。
しかも奥さん役の女優さん*6がものすごい綺麗!整った顔をしてる女性で、脚も細い(←脚はあんまり話の筋に関係ない)。
でも女性だったら絶対あのオチでもツモリチサトのワンピースは買ってもらうと思うよ。女にとってそれは別腹だもの(笑)。


●「叫び 〜スプリング・フェスティバル〜」
最後の一人になったパン工場で働くパン職人(家城氏)と、春のパン祭りを何よりも楽しみにしている親子*7(林氏・石原氏)が知ってしまったパンの秘密。
これはカリカっぽいコント。結構長めでした。でも物語の入り方や、家城氏の血だらけの衣装の意味、女王様のフランス語なんかはとてもいい雰囲気を出してました。一緒に言いたかったよ、「松たか子!」。
毎朝食パンを食べてる私には耳が痛い話でした。食パンだけに。
林氏はそれまでの三本はずっとスーツでしたが、これだけポロシャツ。しかも目に鮮やかな緑色の(笑)。


というライブでした。
もうとにかく、このライブは「BROTHERS」の出来の良さに尽きます。ホントにあれ家城氏が(以下略)。
それぐらい完成度が高かったし、いい話だったんです。ものすごく前のめりで夢中で見てしまった*8
あさちゃんとも話してたんですが、乙女少年団でイマイチときめかなかったのは周りを固めていたキャスト(主に後輩芸人)のせいだったのだ、ちゃんとした役者さんが脇を固めればこれまでの舞台も違って見えてたのかもしれない…。
いや、でもそれだけじゃなく、なんというか地に足のついた設定のコント(やや演劇寄り)が書けるようになったんだ、家城氏が!すごい!ここに来てのこの成長は何なの?


柏氏が最後にぽろっとこぼしてしまってたんですが、6月に「カリカコント+『MEETS』vol.2」が予定されているそうです。楽しみ…!ものすごく楽しみ!
今回のライブも客席はいっぱいで、当日券もナシ、という盛況ぶりでした。


こういう舞台をやっていくことを考えると、正直いわゆる「売れる」というシナリオは見えないけど、ずっとずっとこういうカリカが見たいなぁ。
神様、どうかカリカがずっとこういう舞台をやっていくことが出来ますように!
何故って私が見たいから。家城氏が書いたものを、んで、それを林氏が演じているところを。つまりカリカを。
今年の楽しみが増えました。とりあえず、6月が楽しみ。

*1:ついでに言うと化粧もすごかった。

*2:というか、正確には家城氏が好きで求めてるんだと思う、林氏のああいうところ。

*3:ていうかこの話だけはホントに家城氏が書いたのかと未だに半信半疑な私だよ。

*4:眉毛がないことを隠すのに結構重要。

*5:もともとああいうキャラクターの役者さんなんだと思ったら、トーク部分で演技だったことが判明しビックリ。

*6:ヨーロッパ企画の女優さんだそうです。

*7:ただし義理。相当複雑なので説明は省きます(笑)。

*8:3本目のコントで姿勢直したら腕がつった。ぐらいヘンな姿勢でも必死に見てた。