ますだおかだ単独ライブ「漫才しろ!ますだおかだ 〜ほな10本 まぁ1時間〜」

http://www.shochikugeino.co.jp/backstage/masuoka/shutsuen.html
三年半ぶり、というますだおかだの単独ライブ。
前回の単独(M-1優勝直後@新宿シアターアプル)も、ちゃんと行きましたよ。そして今回も。


東京はCS用のカメラが入ってた(来年放送予定だそうです)のと、大阪公演が12月に控えているので、以下たたみます。


結論から書きますと、ものすごくいいライブでした。面白く、そして素直に楽しめました。
私はコント好きなので、漫才にはそれほどこだわりがないのですが、「面白い漫才というのは、こういうのを言うんだろうなぁ」としみじみ思いました。
ライブとしても、おそらく今年一番拍手したライブでした。ノリノリでアンケートも書きました(←非常に珍しい)。


以下セットリスト。ホントに10本。

・漫才 ますだおかだ(×3本)
・3分ノリツッコミ漫才
・コピー漫才 紳助竜助
・二世漫才
・漫才 作:岡田圭右
・1対400漫才
・アテレコ漫才 妖怪人間ベム
・漫才 ますだおかだ


まず、オープニングVTRもなし、セットも後ろに「ますだおかだ」と何度も繰り返し続けて書いてある正方形の垂れ幕と、落語のときの「めくり」が上手に置いてあるだけ。
音楽とともに始まって、最初に漫才が三本、ほとんど休憩なし(一旦引っ込みますが)の立て続け!
そのどれもがスピード感があって、いつものますおかの畳みかける速度を保っている。
見てるこっちが、「…このペースで10本やるの?」と心配になるほど*1のテンポ良さ。幕間VTRも一切なし。


で、スタンダードな漫才三本の後、四本目が「3分間ノリツッコミ漫才」。
私は岡田氏のツッコミが全部ノリツッコミなんだと思って見てたら、ボケ一つだけに3分間ノリツッコミを続けるという漫才だった!(笑)
話し続ける岡田氏の隣で、笑いをこらえながら不思議そうな顔で上目遣いしてる増田氏が面白かったです。てかあのノリツッコミは殆ど「警視庁24時」の説明に終始してましたけどね(笑)。


コピー漫才は、紳竜のネタ。少々唐突な気もしますが(笑)、白のツナギにリーゼントのヅラ。
アレンジも一部ありましたが、口調も結構そのままに。
バイクに乗るくだりとかは、時代を感じました。漫才のスタイルもその時代時代で変わってるものなのねと実感。


次の二世漫才は、実際の二人の娘が大人になってコンビを組んだら、という設定の漫才。
二人は女装です(笑)。
ほのかちゃん(増田家長女)はヘンなワンピース着てるなーと思ったら、阪神ネタだった!
コントに入るときに、二人で揃えてくるっと一回転するのがこの上なく可愛かったです。ああ、若い女の子漫才師がやりそう〜!
ネタはお互いの相方のお父さんを腐してました(笑)。これまた二世漫才っぽいわ。


岡田氏作の漫才(…というかあれは漫才ではないけども)は、「前と一緒のパターンやないか!」と増田氏が指摘する、相方を脱がせるパターンでした。正確にはパンダの衣装にお着替え。
ここは完全に箸休めですね(笑)。風船とか膨らませてましたから。コーナーだ、コーナー!(笑)


1対400人漫才は、舞台上の増田氏(悪者)のボケに、会場と岡田氏(ヒーロー)が協力してツッコむというもの。岡田氏が客席から1ボケにつき一人をピックアップして、先にツッコミの台詞を耳打ちしてくれるのですが、耳打ちの声が大き過ぎてネタバレしたり、お客さんにダメ出しされたりいろいろハプニングが(笑)。最後のオチは読めちゃった、それだけ残念でしたー。


アフレコ漫才は、なんとアニメの「妖怪人間ベム」(新作の方。ベラが部屋探ししてたので第一話?)を丸々一本使ってアフレコする、というもの。なんと妖怪人間の三人が、安田大サーカスの三人という設定!*2
これが「よくここまで作りこんだな!」というぐらい、ちゃんとした脚本でした。矛盾が全然ないの。
手法はもうこれ完全にエレキが著作権を主張する(笑)バカレコ系列*3の流れなんですが、長さがハンパないし、話も辻褄が合ってるので、えらい完成度でした。


で、〆に漫才をもう一本。
そして最後の最後に、チラシと同じポーズを取る*4のですが、そのとき客席の後ろの方から黄色い声援があり。「…ますおかにもそういうファンがいるんだ」とすごく意外に思いました。いやなんか実力派っぽいから意外で(でもそういうファンの人って前の方の席に座っているものなのでは…謎が多い)。

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三谷幸喜氏は、「内容が観客の頭に残らなくていいから、少しでも多くの笑いを詰め込みたい」とよく言っていますが、ますだおかだの漫才は本当にそういう類のものだと思います。
たくさん笑ってスッキリして、でも内容を忘れてしまう。
でも本当に、素直にたくさん笑いました*5。面白くて、よく出来てて、もっと見たい。


本当に、吉本以外でM-1獲っただけある*6よ、本物だよ!!と大絶賛します。
いろんなパターンで楽しめたし、細かいところに増田氏の漫才へのこだわりを感じることが出来ました。
ネタ番組が減ってしまって、ある程度のランクの芸人さんがネタをやる場所が本当に少なくなりましたが、こうやって単独で満足できるものを揃えられるのは本当にすごい、と思います。


今回のタイトルは、「漫才しろ!ますだおかだ 〜ほな10本 まぁ1時間〜」。いいタイトルだ。
「まぁ1時間」の部分はタイトル決定当初なかったと思う(付け足された?)のですが、結局本人も最後に触れてましたが1時間では収まりませんでした。でも、1時間でも全然十分だった。2800円なんて安すぎる!もっと払うよ!!というほどの満足感でした。


正直、ますだおかだの二人を特別好きなの?と聞かれれば、大好きだ!というわけではありませんけども(笑)、こんな面白い漫才を見逃すのは嫌です。
次回のライブも是非行きたい。で、素直に楽しみたいです。


あと客席は、異様に男子率が高かった気がします。それでも皆、笑ってました。
箸休め(笑)も全部楽しめました。いいライブでした。
今年も残すところあと僅かなので、おそらくこのますだおかだ単独が、私の今年のNO.1ライブで確定でしょう。
ちなみに、岡田氏はこの日お誕生日だったそうで、増田氏と一緒に「ハッピバースディ」を歌いましたが、それだけで終わり(笑)。「甘いの無いの!?甘いの!」と岡田氏は不服そうでした。

*1:実際は途中で転調します。

*2:ベム=HIRO、ベラ=クロちゃん、ベロ=団長。すごいハマってた…。

*3:HOTPPEPERのCMに真似された!ということになっている。確かに、時系列では完全にエレキが先なんですけど。

*4:舞台上で客席に背を向けて座り込むポーズ。チラシはいい写真なのですが、実際に客席から見るとそうでもなかった(笑)。

*5:私は微笑んで舞台は見るけど、あんまり声を上げないタイプなのです、普段は。

*6:というか吉本内ではもう誰が獲ってもいいような気がする。ぶっちゃけ他事務所枠での優勝劇が見たいですよ、私は。